マタハラとは?マタハラの定義・基準・事例・対策について簡単にわかりやすく解説
マタハラの定義と基準
マタハラは、職場における妊娠、出産等に関するハラスメントのことをいいます。雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)では、マタハラについて、女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、産前休業を請求し、又は産前産後休業をしたこと等に関する言動により当該女性労働者の就業環境が害されること、とされています。
なお、厚生労働省の指針(ガイドライン)によれば、業務分担や安全配慮等の観点から、客観的にみて、業務上の必要性に基づく言動によるものについては、職場における妊娠、出産等に関するハラスメントには該当しないとされていることに注意が必要です。
また、「職場」、「労働者」については、さらに詳細な定義がされているため、これらも踏まえた上で、どのような発言や言葉、行為がマタハラに該当するかという基準について正確に理解する必要があります。
マタハラの種類と事例
厚生労働省の指針(ガイドライン)によれば、マタハラには、下記のような種類があります。
- 制度等の利用への嫌がらせ型:女性労働者の産前休業その他の妊娠又は出産に関する制度又は措置の利用に関する言動により就業環境が害されるもの、
- 状態への嫌がらせ型:女性労働者が妊娠したこと、出産したことその他の妊娠又は出産に関する言動により就業環境が害されるもの
以上のようなマタハラの種類を踏まえた上で、具体的にどのような言葉や発言、行為がマタハラに該当するかどうかは状況によっても異なるため、個々の事例ごとに判断する必要があります。
事業主の義務と対策
事業主は、マタハラについて、
- 労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない、
- 労働者が前項の相談を行ったこと又は事業主による相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、その労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない
とされています。
そして、これらの事業主が講ずべき措置等に関しては、厚生労働大臣が、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)を定めるものとされており、同指針では、具体的には次の措置を講じなければならないとされています。
- マタハラに係る事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
- マタハラに係る相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- マタハラに係る事後の迅速かつ適切な対応
- マタハラの原因や背景となる要因を解消するための措置
- マタハラに係る相談者・ 行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずること及びその周知
- 労働者がマタハラの相談等をしたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをされない旨を定めること及びその周知・啓発
企業には、以上のような法律や指針の内容を理解した上で、マタハラ防止に関する必要な措置を講じることが求められます。アクティブ・コンサルティングでは、マタハラ防止に関するコンサルティングや研修プログラムをご用意しております。