ハラスメント研修とは?義務化と頻度、目的とテーマ例、講師と資料、やり方と感想まとめ
ハラスメント研修とは?意味と種類、英語と語源
ハラスメントの意味
ハラスメントとは、他人に対する嫌がらせや他人を悩ませることをいいます。その中でも、職場におけるハラスメントとは、行為者の言動によって、被害者の労働条件に不利益を与えたり、職場環境が害されたりすることを指します。意図的・意識的なものであるかどうかや、また、特定の個人に向けられたものであるかどうかを問わないことに注意する必要があります。
ハラスメントの英語と語源
日本語のハラスメントは、英語の動詞のharass(悩ます、困らせる)が名詞化したharassment(嫌がらせ、悩ませること)を取り入れたものであり、さらに遡るとその語源は、古いフランス語のharasser(疲れさせる)に由来すると言われています。
ハラスメントの種類
職場におけるハラスメントの種類には、多数の種類があります。その中でも、企業や学校、自治体などの現場で問題となりやすく、法律による義務や紛争との関係で特に注意が必要なハラスメントとしては、下記のようなものがあります。
- セクシャルハラスメント(セクハラ):職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることをいいます。異性だけでなく、同性に対するものも含まれることに注意が必要です。
- パワーハラスメント(パワハラ):職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすものをいいます。客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、パワハラには該当しないことに注意が必要です。
- マタニティハラスメント(マタハラ):女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、産前休業を請求し、又は産前産後休業をしたこと等に関する言動により当該女性労働者の就業環境が害されることです。なお、業務分担や安全配慮等の観点から、客観的にみて、業務上の必要性に基づく言動によるものについては、職場における妊娠、出産等に関するハラスメントには該当しないとされていることに注意が必要です。
- カスタマーハラスメント(カスハラ):顧客等からのクレーム・言動のうち、クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、これにより労働者の就業関係が害されるものをいいます。カスハラについては、企業に従業員に対する労働契約上の安全配慮義務があることに加え、防止に向けた法制化が検討されています。
- モラルハラスメント(モラハラ):相手の人格や尊厳を傷つけたり、精神的に苦痛を与えたりすることを指します。職場においては、人格を否定するような罵倒・叱責を浴びせたり、誹謗中傷を行うといった行為が当てはまります。内容はパワハラと重なる部分もありますが、必ずしも優越的な関係を背景が要件とされないことや、一般的には物理的な暴力は含まない点が異なります。
- アルコールハラスメント(アルハラ):飲酒に関連する嫌がらせや他人を悩ませる言動をいいます。飲酒の強要が典型的であり、また、酒に酔った状態での暴言や暴力、迷惑行為なども当てはまり、セクハラにつながることもあります。歓迎会、花見、忘年会や新年会など、飲酒の機会が多い時期には特に注意が必要です。
- アカデミックハラスメント(アカハラ):大学や学校などの教育機関において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、他の職員や学生などが不利益を受け、又は教育環境が害されることをいいます。セクハラやパワハラと重なる部分もありますが、教育機関に特有の事情が原因や背景となっていることに注意が必要です。
ハラスメント研修とは
ハラスメント研修は、役員や従業員を対象として、ハラスメントについて正しい知識を学ぶとともに、ハラスメントの防止法や発生時の対応法を身に付けることにより、ハラスメントのない良好な職場環境を作るための研修を指します。
法律による義務化、必要性と重要性
ハラスメント対策の義務化に対応する
現在では、ハラスメントに関する法律の整備が進み、一定のハラスメントについては対策が義務化されています。このような法律による義務化に対応することが、ハラスメント研修の目的の一つとなります。
男女雇用機会均等法の平成11年改正により、セクハラに関して事業主の雇用管理上講ずべき措置等の規定が設けられ、その後、平成18年改正により、男性もセクハラの対象に加えられました。また、平成28年改正により、マタハラに関して事業主の雇用管理上講ずべき措置等の規定が設けられました。
さらに、令和元年には、男女雇用機会均等法の改正により、セクハラ及びマタハラ防止対策が強化されるとともに、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律の改正により、パワハラに関して事業主の雇用管理上講ずべき措置等の規定が設けられました(パワハラ防止法)。
企業としては、これらの法律の規定を十分に理解した上で、ハラスメント研修などのハラスメントを防止するための対策をとる必要があります。
アクティブ・コンサルティングでは、類型別・法律別のハラスメント研修プログラムをご用意しております。
ハラスメントの必要性と重要性
ハラスメント研修は毎年実施すべき?頻度とタイミング
新入社員・中途社員の入社時
ハラスメント研修の最初のタイミングが、新卒入社の社員に対する新人研修です。新入社員は、組織の中で最も立場が弱いことからハラスメントの被害者になりやすく、被害にあった場合に適切な対応をとることも難しいといえます。一方、新入社員は、社会人としての経験が乏しく、上司や先輩の正当な指導や注意についても、ハラスメントと捉えてしまうおそれもあります。ハラスメントに対する正しい知識を身に付けられるように、新入社員に対するハラスメント研修が有効です。
また、新卒入社の社員だけでなく、中途入社の社員に対しても、ハラスメント研修を実施するとよいでしょう。中途社員は、社内の人脈や同期のつながりがないことが多いため、組織の中で孤立しやすく、ハラスメントの被害者となりやすいといえます。一方、中途社員が、自身の実力を早く示そうとして焦ってしまったり、生え抜きの社員を見下していたりすることが原因で、ハラスメントの加害者となってしまうケースも見られます。これらの事態を防止するためにも、中途社員に対するハラスメント研修が有効となります。
アクティブ・コンサルティングでは、若手・新入社員向けのハラスメント研修のプログラムをご用意しております。
役員・管理職への昇格時
ハラスメント研修の次のタイミングは、役員・管理職への昇格時です。役員や管理職は、ハラスメントの加害者となることが多く、ハラスメントの防止には特に注意が必要です。ハラスメントを防止しつつ、部下を率いていくためには、高いコミュニケーションやリーダーシップの能力が求められます。
また、役員や管理職は、自身がハラスメントを起こさないことはもちろん、組織においてハラスメントが起きない体制を整備することが求められます。さらに、万が一、ハラスメントが発生してしまった場合には、適切な対応を取る必要があります。
役員・管理職への昇格のタイミングで、これらの内容を踏まえたハラスメント研修を実施しておくとよいでしょう。アクティブ・コンサルティングでは、役員・管理職向けのハラスメント研修のプログラムをご用意致しております。
法律の制定や改正があった場合
ハラスメントに関する法律の制定や改正があった場合も、ハラスメント研修を実施するタイミングとなります。この場合、研修では、法律の制定や改正の内容を正確に理解するとともに、自社に及ぼす影響を分析し、法律の施行スケジュールに合わせて現場における対応を準備することが主眼となります。
講義形式により法改正の内容を正確に解説することはもちろん、グループワーク形式により法律の制定や改正が自社に及ぼす影響や現場における対応などについて、関係者に意見を出してもらいながら検討することも有効です。
他社のハラスメント事例の発生時
他社でハラスメントが発生した場合も、ハラスメント研修の実施を検討する必要があります。他社のハラスメントが、メディアによる報道で取り上げられたり、裁判になったりした場合、自社でも同様のハラスメントが発生するリスクはないか、発生した場合に十分な対応を行うことができるかという観点から、ハラスメント対策を実施することが必要です。
特に、同業他社など、自社と組織や労働環境が近い業種でハラスメントが発生した場合、自社においても同様のハラスメントが発生する可能性が高いといえます。このような場合、他社のハラスメント事例を中心としつつ、業種・業界の特徴を踏まえたハラスメント研修を実施することが必要となります。アクティブ・コンサルティングでは、業種・業界別のハラスメント研修のプログラムをご用意致しております。
自社のハラスメント事例の発生時
自社でハラスメント事例が発生してしまった場合、その事例に対応することと併せて、原因の究明と再発防止を行う必要があります。その場合の再発防止の一環として、ハラスメント研修を行う場合があります。
この場合、研修の中で自社で発生したハラスメント事例を取り上げることが考えられます。同様の事例の再発防止のためには、ハラスメント事例の内容をある程度、詳しく取り上げる必要がある一方、当事者のプライバシー、社内の人間関係や業務に影響が及ぶおそれもあるため、どこまで具体的な内容にふれるのかを慎重に検討する必要があります。
定期的・継続的な実施の重要性
ハラスメント研修の目的、効果とメリット
効果的なハラスメント研修を実施するためには、ハラスメント研修の目的を明確にすることが重要です。また、ハラスメント研修を実施することによる効果とメリットについても合わせて理解しておきましょう。以下では、ハラスメント研修の目的、効果とメリットについて解説します。
正しいハラスメントの知識を身に付ける
ハラスメントを防止するためには、まずハラスメントに対する正しい知識を持つことが必要です。ハラスメントには様々な種類があり、ハラスメントとされる言動も多岐にわたるため、ハラスメントに関する法律の定義やルールはもちろん、その背景にある考え方を正確に理解することが必要です。また、ハラスメントにはグレーゾーンも少なくなく、どのような発言や行為がハラスメントに当たるのか、正当な業務上の指導とハラスメントの違いは何かが常に問題となります。それらを判断する上で参考になる具体的な事例を学ぶこともハラスメント研修の目的となります。
ハラスメントに関する最新の動向を知る
ハラスメントに関する社会の意識は大きく変わってきました。ひと昔前には普通に行われていた行為がハラスメントとされたり、1つのハラスメントがメディアで取り上げられたり、SNS上で炎上することで判が一気に高まったりする場合もあります。さらに、近年では、ハラスメント対策を強化する法改正も相次いでいます。このような最新の動向を知ることも、ハラスメント研修の目的といえます。
当事者意識を身に付ける
ハラスメントを防止するためには、一人一人のハラスメントに対する意識を高めることが必要です。企業の役員や従業員の中には、ハラスメントはうちの会社には関係ない、自分だけは大丈夫だと考えている方も多く見られます。しかし、職場におけるハラスメントでは、誰もが加害者にも被害者にもなる可能性があります。一人一人がハラスメントに関する正しい理解と、ハラスメントを防止するという意識を持つことが必要であり、ハラスメント研修はそのための有効な方法となります。
正しいハラスメントの知識を身に付ける
現代では、ハラスメントと言われることを恐れるあまり、上司が部下に業務上必要な指導ができなくなってしまったり、さらに極端な場合は部下とのコミュニケーションを避けてしまうといった例も見られます。それでは、企業の業務運営に支障が生じるだけでなく、部下にとっても指導を受けて成長する機会を失うことになりかねません。ハラスメントにならない指導法やコミュニケーションの取り方を身につけることも、ハラスメント研修の大きな目的と言えます。
ハラスメントを起こさない組織風土を作る
ハラスメントを防止するためには、組織の問題として捉えることも必要です。経営者自らがハラスメント防止に向けたメッセージを発し、率先して取り組むことが有効です。その上で、組織としてハラスメントを防止する仕組みを整備する必要があります。また、相談窓口を設けるなど、万が一、ハラスメントが発生した場合に相談しやすい環境を作ることも大切です。これらの取り組みについて従業員に周知することも、ハラスメント研修の目的の一つであると言えます。
ハラスメント発生時の対処法を学ぶ
いかにハラスメントの防止に取り組んでも、ハラスメントが発生する可能性は否定できません。万が一、ハラスメントが発生した際は、組織として迅速に対応することにより、とともに、被害を最小限に留めるとともに、最初防止を図ることが重要となります。また、個々の従業員についても、自身がハラスメントの被害にあった場合や、別の従業員がハラスメントにあっているのを見かけたり、相談を受けた場合に、適切な対応を行えるようにしておくことが大切です。ハラスメント発生時の対処法を学んだり、シミュレーションを行うことも、ハラスメント研修の目的と言えます。
おすすめのテーマ・カリキュラム・プログラム例
ハラスメントには様々な類型があり、関連する知識も多岐にわたります。効果的なハラスメント研修を自社の課題や実情に合ったテーマを選択するとよいでしょう。ハラスメント研修のテーマ・カリキュラム・プログラム例としては、下記のようなものがあります。
類型別・法律別の研修
ハラスメント対策の第一歩は、ハラスメントの類型や法律のルールを正しく理解することです。セクハラ、パワハラ、マタハラ、カスハラなどのハラスメントの類型別に、定義や関連する法律のルールについて学ぶとよいでしょう。
業種別・業界別の研修
どのようなハラスメントが発生しやすいかは、業種や業界によっても異なります。メーカーでは工場・製造現場におけるパワハラやそれに伴う製品不正、流通小売業界では店舗におけるセクハラやカスハラなどに注意する必要があります。
階層別・部門別の研修
ハラスメント対策における役割は、階層や部門によっても異なります。役員は全社的なハラスメント防止体制の構築、管理職はハラスメントにならない指導法、人事・相談窓口はハラスメント発生時の対応などを中心に学ぶとよいでしょう。
海外法・外国法の研修
グローバル化が進展した現代では、ハラスメント対策においても海外法・外国法を無視することはできません。文化や法律の異なる海外では、ハラスメントに対する考え方も国内とは異なっており、多額の損害賠償が発生することもあります。
講師と対象者、対面とオンライン(eラーニング)、料金
ここまで、ハラスメント研修の内容について解説してきました。次に、ハラスメント研修の企画・準備段階のポイントについて、講師と対象者、対面とオンライン(eラーニング)、料金の項目別に見ていきましょう。
ハラスメント研修の講師
ハラスメント研修の対象者
・公開講座・対面研修・オンライン研修・eラーニング
ハラスメントを防止するためには、全社員を対象にハラスメント研修を実施することが大切です。企業では、あらゆる社員がハラスメントの当事者となる可能性があり、ハラスメントを防止するためには、社員1人1人がハラスメントに対する正しい知識と高い意識を持つことが必要であるからです。さらに、正社員以外のパート・アルバイトや派遣社員などの従業員についても、ハラスメントの当事者になる可能性があるため、ハラスメント研修を実施することが望ましいといえます。
もっとも、ハラスメント防止において社員が果たす役割は、役職や職務内容によっても異なります。例えば、管理職向けのハラスメント研修では、部下に対するハラスメントの防止や正当な指導とハラスメントの区別などが中心なるのに対し、役員向けのハラスメント研修では、より全社的な視点からのハラスメント防止体制の構築が中心となります。
また、営業社員向けハラスメント研修では、営業ノルマをめぐるパワーハラスメントの防止や顧客からのカスタマーハラスメントへの対応などを取り上げるとよいでしょう。一方、法務社員向けハラスメント研修では、部門内におけるハラスメントの防止だけでなく、全社的なハラスメントの防止を法律的な観点からどのようにサポートしていくかがテーマとなります。
効果的なハラスメント研修を実施するためには、それぞれの研修対象者に応じたテーマの研修プログラムを作成するようにするとよいでしょう。アクティブ・コンサルティングでは、階層別・部門別のハラスメント研修のプログラムをご用意致しております。
ハラスメント研修の料金・費用、金額の相場と補助金・助成金
ハラスメント研修の資料
スライド・PDF
ハラスメント研修の資料・教材の中心となるのがスライドです。プレゼンテーションソフトを利用して作成するとよいでしょう。また、研修で使用した資料については、参加者が後で復習することができるようにPDFファイルなどでデータを配布してもよいでしょう。
社内規程
ハラスメント防止規程などの社内規程がある場合には、それらを研修の教材として使用するとよいでしょう。講師が、講義形式で社内規程の内容を正確に解説するとともに、関連する事例なども取り上げると効果的であるといえます。また、グループワーク形式で、社内規程の内容にわかりにくいところはないか、現場の実情と異なっているところはないか等についてディスカッションを行い、そこでのフィードバックを反映して、社内規程の改訂を行うことも一案です。
無料教材と有料教材
ハラスメント教材には、無料のものと有料のものがあります。それぞれのメリットとでメリット、注意点について解説します。
無料教材は、インターネットなどで公開されているものであり、メリットとしては、教材作成の費用を抑えられることがあげられます。一方、でメリットとしては、内容が画一的であったり、自社の実情や希望を反映できなかったりすることにより、研修効果があがらない場合があることがあげられます。また、インターネットなどで公開されていたとしても、著作権による保護が及ぶことから、必ずしも研修での使用や内容の改変を無制限に行うことができるわけではないことに注意する必要があります。
有料教材は、外部の研修会社などに制作を依頼するものであり、メリットとしては、自社の実情や希望を反映することができるため、高い研修効果が期待できることがあげられます。一方、デメリットとしては、教材作成の費用がかかることがあげられます。もっとも、実際にハラスメントが発生し紛争になってしまった場合には、解決までに多くの手間や費用がかかることから、費用がかかっても効果の高い教材を使用する方がよいでしょう。
ハラスメント研修のやり方・進め方
次に、ハラスメント研修の実施段階のポイントについて見ていきましょう。
講義
事例・ケーススタディ
クイズ・テスト
ディスカッション
グループワーク・ゲーム・ロールプレイ
また、実際のハラスメント事例では、加害者、被害者、同僚や目撃者などの第三者が存在します。それぞれの立場に立った場合にどのように行動するかといったロールプレイを取り入れてみることも有効でしょう。
ハラスメント研修の感想・アンケート・レポート
せっかくハラスメントについて学んでも、それを日々の業務や現場での行動に活かせなければ意味がありません。ハラスメント研修の効果を最大限に高めるためには、研修実施後に、感想文・アンケート・レポートなどの提出を通じて、参加者のフィードバックを得た上で、それを業務の改善に活かしていくことが有効です。
感想文
感想文は、参加者個人の感想や気づいたことを記入してもらうもので、形式の自由度が高く、内容も主観的であるため、参加者の率直な意見を知るのに適しています。
感想文では、研修に対する率直な感想や、研修で得た知識や考え方に加えて、研修を受けて今後どのように行動したいかについて触れるようにしてもらうとよいでしょう。
アンケート
アンケートは、講師、資料、内容など、研修に関する具体的な項目について評価してもらうもので、形式が定型的で、内容も客観的であるため、定量的なデータの収集に適しています。
アンケートでは、参加者の満足度、研修の効果や改善点に加えて、自社の現状についても項目を設けた上で、データを収集・分析し、今後の研修や現場の改善に役立てるとよいでしょう。
レポート・報告書
レポート・報告書は、研修で学んだ内容を整理し、要点をまとめた上で、実際の業務にどのように適用・活用できるかを考察してもらうもので、一定の分量や論理的な内容が求められるため、研修を本格的な業務の改善に活かしたい場合に適しています。
レポート・報告書では、研修の内容を自社の実情に照らした上で、研修を踏まえた企業への提言や、そのための具体的な行動計画などをなるべく具体的に記載してもらうとよいでしょう。
このように、感想文・アンケート・レポートは、それぞれが異なる形式と目的を持っており、研修後にこれらを活用することで、参加者への学習効果を評価するとともに、研修内容を現場で活用する効果を高めることが可能になります。
ハラスメント研修まとめ
以上のように、ハラスメント対策の法律による義務化により、ハラスメント研修の必要性・重要性は高まっています。ハラスメント研修の目的、効果とメリットを理解した上で、講師と対象者、対面とオンライン(eラーニング)、料金などを検討し、資料、おすすめのテーマ例、研修のやり方・進め方、研修後の感想・アンケート・レポートまで、ハラスメント研修の実施のポイントを解説しました。